#50 年月と季節を重ねて、地域とともに育まれた
メタセコイア並木と「マキノピックランド」

近年、SNSの盛り上がりとともに海外のお客様にも注目されている観光スポットが、滋賀県高島市にあります。

 

全長約2.4Km、日本最大級の規模を誇るメタセコイアの並木道。

この並木道は昭和56年(1981年)に植えられました。平成6年には、読売新聞社の「新・日本街路樹百景」に選出され、滋賀を代表する観光スポットになったのですが、それから50年、観光栗園はいくつもの季節の旬の果物を収穫そして味わうことのできる「マキノピックランド」に姿を変え、並木道とともにマキノの地域の人々と共生するアイコンとなりました。その年月とともに成長してきた魅力を探っていきたいと思います。

 

オールシーズン楽しめます!

今回お話しを伺ったのは高島市農業公園マキノピックランド(以降、ピックランドと称する)の支配人でいらっしゃいます桂田亘さん。まずは、ピックランドの成り立ちからお伺いしました。

 

「前身は旧マキノ町の事業として始まったマキノ観光栗園です。昭和46年(1971年)にオープンして以来、順調に営業していたのですが、季節が9月終わりから11月くらいと限定されるため、幅広い集客を目指して、ピックランドの事業構想は早い段階で持ち上がっていたそうです。」

 

ピックランドとしてオープンしたのは平成11年(1999年)。より長い期間お客様に果物狩りを楽しんで頂けるよう、果物の樹種を増やしてきたと仰います。

 

「さくらんぼが5月から6月中旬ぐらい、次にブルーベリーが6月中旬から8月末ぐらい、ぶどうは8月上旬から9月下旬、栗が9月中旬から10月中旬ぐらい、さつまいも掘りも9月下旬から10月下旬まで楽しめます」

 

「開業当初からある栗拾いが一番メインで、50ヘクタールの広さがあり、極力長い期間楽しんでもらえるよう早生から晩生まで12品種を育てています。」

 

どの時期がお客様に人気なのでしょうか?

 

「やはり秋のシーズンですね。栗拾いの時期には一万人の来場者数があり、メタセコイア並木が色づく11月下旬から12月初旬がピークではないでしょうか」

「秋・春・冬がいいシーズン」と仰る桂田さんですが、「冬は雪景色がきれいですが、雪の降る日がずいぶん減っています。個人的には芽吹きの季節でもあるゴールデンウィークあたりの時期がおすすめですね。」

 

ちなみに高さは今でも20〜25メートルぐらいあるのですが、35メートルぐらいまでは成長するそう!!

 

「木が育ってきているので、木陰が増えています。夏も涼しくていいんですよ。」

 

どうやらオールシーズンおすすめのようですね。

 (公社)びわこビジターズビューロー

 

育み、育まれ メタセコイアの並木

(公社)びわこビジターズビューロー

 

メタセコイアが植えられたのは昭和56年。当時台風の被害が甚大であった観光栗園の防風林としての目的だったと仰います。

 

「紅葉シーズンの観光用ではなく、シンプルに防風林としての機能を買われてチョイスされたと聞いています。」

 

植えた当初は花も咲かず、地味な木だったので関係者の中では不評だったらしいのですが、それでも地道に育まれたメタセコイアは日本最大級の並木となり、地元の無くてはならない存在となっていきました。

 

そして2003年ごろ大ブームとなった「冬のソナタ」の舞台になったロケ地と似ていたところから思いがけず(?)訪れる方が増えていったよう。さらにSNSの発達により、口コミでその良さがどんどん広がっていったといいます。

 

手入れについては現在、平成22年に結成された並木保存会が中心に保存活動をされています。

 

「地元の観光施設や有志が中心となって、落ち葉や折れた枝の剪定などの清掃活動、保存活動を行っています。5年に1回ぐらいは高所作業車を使った作業もありますね。業者を使ってそのままお願いすることもできるのですが、樹形をどうするかなどこちらの想いをどれだけ汲み取ってもらえるかということも重要なので、緊密にコミュニケーションを取りながらやっていますね。」

 

おすすめグルメとグランピング

並木道、果物狩りだけでないのがピックランド。まだまだあるおすすめもひとつひとつご紹介していただきました。

 

「まずはジェラートですね。ピックランドで採れた果実をふんだんに使ったもので、ブルーベリーが一番人気。マロンも根強い人気がありますね。」

 

「あと地元の食材を生かしたレストラン『なみ木食堂ツバメ』もおすすめですよ!」

「高島市のご当地料理『とんちゃん』や、滋賀の産品である赤こんにゃく、稚鮎、近江牛、丁子麩などをふんだんに使ったランチ「びわ膳」は人気ですね。」

 

メタセコイア並木を眺めながらくつろげるカフェ「並木カフェメタセコイア」も好評。

こだわりのスイーツはもちろんのこと、近江牛や地元で採れた美味しい野菜を使った食事も提供しています。

 

2023年12月には宿泊施設も誕生! 全室温泉を配したグランピング施設「フォレストヴィラ メタセコイア」。

プライベートドッグラン付客室もあり、メタセコイアの絶景の中、贅沢な宿泊も体験できます。

(写真提供:高島市農業公園マキノピックランド)

 

どんどん膨らむ メタセコイアとピックランドの未来

ここ数年でどんどん観光客が増えているマキノ町エリアとそのアイコンになっているメタセコイア並木。2024年4月からは引退したサラブレッド(競走馬)の乗馬体験ができる観光養老牧場「TCCメタセコイアと馬の森」もスタート。ますます魅力的なエリアになっていきますよね。

(公社)びわこビジターズビューロー

 

桂田さんはマキノエリア全体の発展が大事と仰います。

 

「マキノエリアは風光明媚。各観光施設さんの横の連携はすごくいいんです。ピックランドは比較的夏が弱い季節なのですが、琵琶湖岸にあるマキノサニービーチは夏がメイン。冬はマキノスキー場もありますし、単体だけでなくお互いが助け合ってどの季節にもお客様に来て頂けるよう、マキノエリアを盛り上げていきたいですね。」

Information

高島市農業公園マキノピックランド

滋賀県高島市マキノ町寺久保835-1(Google Map
TEL : 0740-27-1811
営業時間・定休日:季節や各施設によって異なるため、詳しくは公式ホームページをご確認下さい。
ホームページ / Facebook

 

※上記は2025年1月1日現在の情報となります。

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